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【福井】研究成果 市民に発表 福井大で博士号取得の2人

2012/05/06

 博士号を取得後に一般企業への就職を目指す大学院卒業生のプレゼンテーション能力を高めようと、福井大は3日、福井市文京3丁目の同大で、若手の学位取得者による研究発表会を開いた。

 博士号を目指す学生はほとんどが大学教員を目指すが、今やその道は狭き門。学位取得後も常勤教員を志す者は、非常勤研究員として学内で経験を積むが、多くは職からあぶれている。この日は、同大学院工学研究科で博士号を取得後、学内で働きながら正社員を目指す2人が30人の市民を前に発表した。

 「音が聞こえる仕組みと骨導音声」をテーマに講演した荻原慎洋さんは、補聴器の研究を発表した。録音した自分の声を聞くと違和感を覚えるのは「自分の骨を伝わる音が混じっていないから」と説明し、そのために補聴器を敬遠する人もいると指摘。「従来の製品に『骨導音声』をミックスし、普段の自分の声に近づける研究をしている」と紹介した。

 一方、もう1人の朱啓明さんは「集合住宅」をテーマに文化の違いを発表。「夫婦の寝室を分けるのは日本だけでした。どうして?」などとユーモアを交え、会場を沸かせていた。 (吉野淳一)

「音が聞こえる仕組みと骨導音声」をテーマに発表する荻原慎洋さん=福井市の福井大で
「音が聞こえる仕組みと骨導音声」をテーマに発表する荻原慎洋さん=福井市の福井大で