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【三重】水耕栽培で働く喜びを 障害者らの自立支援

2012/03/29

伊賀で来月NPO「えん」設立

 水耕栽培の作業を通し、障害のある人や若年無職者の自立を支援するNPO法人「えん」が4月11日、伊賀市長田に設立される。代表理事の萬成(まんなり)哲也さん(38)=同市法花(ほっけ)=は「1人でも多くの方に働く喜びを実感していただきたい」と意気込む。 (安部伸吾)

 「子どもに誇れる仕事をしたい」と、萬成さんは10年ほど前、国の新規就農支援制度を活用して水耕栽培を始めた。7年前に障害者を初めて受け入れ、現在は9人が通うまでになった。25アールにビニールハウス12棟を備え、ミズナやコマツナなど15種類を栽培。市内のほか、東京都や大阪府などのスーパー、レストランに出荷している。

 萬成さんは以前から、引きこもりや通院者、ニートなど就業のきっかけが少ない若年層の就業支援も模索しており「若者の居場所」としての役割も兼ねたNPOを設立することになった。話を聞き、すでに体験に訪れた人もいるという。

 今後はNPOの周知を図るとともに、市社会福祉協議会との連携も深めながら、自立支援に取り組んでいく。萬成さんは「自分の作ったものが、人が生きることに役立つことが分かれば、きっとやりがいを感じてくれるはずです」と話している。

 問い合わせは事務局長の小林弘樹さん=電080(5337)2080=へ。

障害のある人と、コマツナの苗を世話する代表理事の萬成さん(左)と事務局長の小林弘樹さん(右奥)=伊賀市長田で
障害のある人と、コマツナの苗を世話する代表理事の萬成さん(左)と事務局長の小林弘樹さん(右奥)=伊賀市長田で