2012/03/28
ほほ笑む姿に「100歳まで勤めて」
91歳になっても元気に働いている女性がいる。金属加工会社「豊栄商会」にパートで勤める豊田市堤町の三輪かなさん。仕事は工場事務所兼食堂の清掃と、おいしいと評判の昼食のみそ汁づくり。「かなちゃん、100歳まで勤めてよ」と従業員に慕われている。 (川原田喜子)
勤務は午前7時~午後4時。自宅から愛用の青い自転車で通う。ほうきを手に事務所をきれいにしてから、40人分のみそ汁を鍋いっぱいにこしらえる。「そんなに忙しくない。年寄りの仕事だで」と照れるが、手際良く食器や鍋を運ぶ動きは年齢を感じさせない。
7年前に亡くなった夫の友儀(とものり)さんと、もともとは農業を営んでいた。1970年ごろ、操業を開始して間もないトヨタ自動車堤工場へ清掃の仕事に出た。74年4月、自宅のすぐそばに移転してきた豊栄商会から「うちへ来てくれんか」と頼まれて転職。今年で勤続37年になる。
入社25年目の畔柳(くろやなぎ)早人・鉄鋼部長は新入社員のころから毎日、昼の弁当に付く三輪さんのみそ汁を楽しみにしている。「みんなとよくしゃべって、昔と全然変わらんね。若くなったみたい」と笑う。
同じく豊栄商会にパートで勤める三女の敦子さん(56)とその夫、孫二人の5人暮らし。家族旅行が大好きで、富士山をよく見にいく。「何度見てもきれい。元気が出るね」
会社で働き、従業員と話すのが一番の健康法。「風邪もひかず、ほとんど休まない。尊敬に値します」と敦子さんも感心している。
「ずっと働いて」という声には「こんなおばあさんを使ってくれて、ありがたい。何にも言うことないわ」。慣れた手つきでみそ汁をよそいながら、ほほ笑んだ。
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