2012/03/24
会社員から有機栽培の農家へ転身し、若手農家らと「津有機農学校」を設立した津市白山町南出の岡村和哉さん(41)が、家庭菜園や新規就農を考える人を対象にした連続講座を企画している。農学校のメンバーが講師を務め、堆肥づくりや育苗(いくびょう)の仕方、農家としての心構えまで、有機農業の第一歩を手ほどきする。
グラフィックデザイナーとして県内の広告や印刷の会社に勤めていた岡村さんは7年前、知人の勧めもあり、独立を機に有機農業を思い立った。「おいしくて安全な野菜を作りたい」と、地元農家に教えてもらいながら、実家の畑の一画で、農薬や化学肥料を使わない野菜作りに挑戦した。
当初は、虫食いや不作が続き「ろくなものがとれず、家庭菜園よりひどい結果」。だが露地栽培からハウス栽培へ切り替え、さまざまな作物で試し植えを繰り返した。今ではベビーリーフやキュウリなどを栽培し、直売所へ出荷している。
岡村さんは、有機野菜をアピールするとともに、自らの経験をふまえて有機農業の魅力を広めようと昨年、農学校を設立した。メンバーは、同じく津市内で有機農業に取り組む農家ら7人。昨年1月から7月まで、初めて連続講座を開き、県内外から19人が参加した。
講座は昨年に続き2回目で、今月25日から7月末まで、隔週日曜日に開催する。講師を務めるメンバーは、独自の堆肥づくりを編み出したり、畜産と組み合わせた循環農業を手掛けたりと、さまざまな工夫をこらす農家ばかり。各自の農園で実地指導を交え、その一端を披露していく。
岡村さんは「講座を通じて地元で頑張っている農家を知ってもらい、栽培の面白さや技術だけでなく、その生き様にも目を向けてもらえれば」と話している。
講座は全10回で、定員は20人。受講料2万円。問い合わせは、農業生産法人「めぐみの里」=電059(262)6355=へ。(加藤弘二)
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