2012/03/17
16日に厚生労働、文部科学両省が発表した今年3月卒業予定の大学生の就職内定率(2月1日現在)は、前年同期比3・1ポイント増の80・5%に改善したが、既卒者の就職活動は依然厳しい状況が続いている。今の3年生も就職活動に加わり、企業側の目が現役生に向きがちなためだ。
「もう就活3年目。早く親を安心させたい」。2月に東京で開かれた合同就職説明会で、都内に住む男性(25)は話した。2010年3月に卒業後、アルバイトをしながら就活を続けている。
就職を希望したが、採用が決まらないまま卒業した学生数は、07年3月卒から09年3月卒まで毎年1万2000~1万4000人で推移した。だが、リーマン・ショックの影響で多くの企業が採用を絞った10年3月卒は3万1000人に急増。内定率が過去最低だった11年3月卒は3万4000人に上った。
卒業後の就職は、直後の4~6月が最も件数が多く、その後は落ち込む。就職情報会社ディスコが実施した企業調査によると、12年3月卒の採用で既卒者の応募を受け付けた企業は57%あったが、実際に内定を出した企業は14%にとどまった。
厚労省が、既卒者に対する支援員や雇い入れ助成金などを整備したのは10年9月だが、周知が進み、利用者が増えたのは今春卒業の4年生からだ。同省の担当者は「卒業してしまった人は、自発的にハローワークなどに来てもらう以外支援するのは難しい」と話しており、支援の“空白期”の卒業生は取り残された形だ。
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