中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【愛知】「創造の楽しさ」講演 メニコン田中会長出身地の一宮で

2012/02/28

 中区のコンタクトレンズメーカー「メニコン」会長で、一宮市木曽川町出身の田中恭一さん(80)が25日、同市玉堂記念木曽川図書館で「無から有を生み出す創造の楽しさ」と題して講演した。

 田中さんは1951(昭和26)年、日本で初めて角膜コンタクトレンズの実用化に成功。講演では、ものづくりの魅力と開発秘話を披露した。

 19歳のころ、当時勤めていた中区の眼鏡店で客の米国人から「コンタクトレンズを持っている」と聞いた。実物を見せてほしいと頼んだが、断られた。「作ってやろう」と奮起した。「素材も形も知らなかった」が、自分で着けながら試行錯誤。耐久性のテストで試作品を装着して木曽川を泳いだことも。「自分で試してみると改善のスピードが違う」と振り返った。コンタクトの開発に集中するため、眼鏡店を辞めて独立した。

 「作ろうと思えば、何でもできる。必ず完成する」との信念があるという。「何事も好きになって取り組むことが大切」と、130人の来場者に呼び掛けた。 (三輪喜人)

「作ろうと思えば必ず完成する」と信念を話す田中さん=一宮市玉堂記念木曽川図書館で
「作ろうと思えば必ず完成する」と信念を話す田中さん=一宮市玉堂記念木曽川図書館で