2012/02/22
■個別面接で自己PR
■筆記 民間と同形式
個性豊かな職員獲得を目指し、半田市は2012年度実施の職員採用試験で受験生の個性や目的意識を重視する「HR試験」を導入する。いわば大学の「AO入試」の公務員版。県内での導入は豊田市など少数で知多半島の市町では初という。従来の試験も別日程である。 (山本真士)
画一的な学力より、人物重視の採用で多様な人材を確保するのが目的。長く市職員だった榊原純夫市長も「市職員は市民と顔を合わせて仕事をするのが基本。事務能力にたけた人材ばかりでは駄目」と旧態依然とした採用方法に問題意識を持ち、改革を決めた。
「HR」は「ヒューマンリソース」(人材、人的資源)の頭文字。人事課によると、3次まである試験のうち、特徴的なのが1次試験。従来の集団面接の代わりに、受験生が自己アピールをする個別面接を新設する。同時にある筆記試験は、公務員特有の多教科にわたる教養試験ではなく、出題範囲が狭いなど民間企業と同じ形式にする。
1次試験前には応募書類による選考も初めて採用。一方、与えられたテーマを少人数で討議する2次試験、市幹部が個別に面接する3次試験は従来と同じだ。
HR試験の日程はこれまでより3カ月早い5~6月に行い、採用の早い民間企業へ流れがちな優秀な人材の獲得を目指す。近年は団塊世代の大量退職に伴い採用数を増やしてきたが、受験者数が伸びず、庁内外で職員の「質の低下」が懸念されていた。
人事課の担当者は「知多半島を引っ張っていけるような、自ら考え、行動できる人材が欲しい」と話している。
採用予定人数は、HR試験が事務職5人程度、従来の試験が同十人程度。申し込みは市ホームページから。(問)同課=電0569(21)3111
【AO入試】 学力試験だけでは判断できない個性や学習意欲を評価するため、書類審査や面接で合否を判定する入試方法。
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