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【くらし】<はたらく>人予定やアイデア、写真も 工夫さまざま手帳活用術

2012/01/27

 スケジュール管理や備忘録に欠かせない手帳。年末に買い替えた新しい手帳にもなじみ始めるころだが、いまひとつ使いにくかったり、うまく使いこなせないと感じている人もいるのでは。工夫で自分に合った手帳にし、上手にスマートフォン(多機能携帯電話)も併用する人に活用術を聞いた。 (稲熊美樹)

 地球温暖化などに携わる研究者堀正岳さん(36)=横浜市=は、けい線だけ引かれたノートをいつも持ち歩く。予定のほか、思い付くことなどを自由に書き込んでいる。仕事柄「アイデア勝負」なところがあり、すぐ忘れそうなひらめきを書き留め、ノートを「記憶の一部」としている。

 定型のスケジュール帳には不満があった。大きいと携帯しづらい。小型だとページ数が少なく、書き込む情報が限られる。何より、研究者なので、分刻みで管理するほどスケジュールが過密なわけでもない。

 こだわりは「モレスキン」というブランドの縦14センチ、横9センチのノート。シンプルで、表紙が丈夫。ポケット付きで、名刺や地図などを入れられ、ゴムバンドでとめれば、多くの“情報”を持ち歩ける。活用術をブログで発信し、本を書くほど愛用している。

 思い浮かんだアイデアと同じように、仕事の予定なども順番に書いていく。デジタルカメラの写真をシールにプリントして貼ることも。さまざまな情報が連なっていくが、毎日手帳を見返す時間をつくり、重要な情報に色を付けたり、足りないと思う情報を補足したり。この作業でスケジュールも管理し、後でアイデアを深めたり、思いを再確認できたりする。

 スマホも併用。時間や場所、備忘録といった単純な情報を管理するほか、重要な要件は、アラーム機能を使って忘れないようにしている。

     ◇

 3人の子育てをしながら、働く母を支援するサイトなどを運営する大洲早生李さん(33)=名古屋市=も、手帳とスマホを併用してスケジュールを管理している。

 紙の手帳は、月ごとや週ごとのスケジュールの一覧に優れる。子連れでの仕事や外出も多く、荷物を最小限に抑えるために、小さめのサイズを選ぶ。ただ、悩みは「書き込みスペースが少なく、余分なことは書けない」こと。

 以前は、手帳のメモスペースに目標などを書き込んでいたが、余白がなくて断念した。「手帳を常に持ち歩くためには、大きさも重要なポイント」といい、やらなければならないことを思い付いたらすぐスマホにメモし、忘れないよう心掛けているという。

◆「一覧しやすい」 アナログ回帰

 丸善書店名古屋栄店(名古屋市)文具グループ長の梅本智之さんによると、手帳はビジネスマンに限らず、幅広い年齢層の男女が買う。

 最近人気があるのは、システム手帳ブランドの「フランクリン・プランナー」など、目標を定め、計画的に実行するためのタイプ。スケジュール管理をする手帳とは別に、もう1冊購入するケースも多い。

 ただ、「能率手帳」を発行する「日本能率協会マネジメントセンター」(東京都港区)が昨年8月に実施したインターネット調査によると、紙の手帳は種類が豊富なものの「理想の手帳が見つからない」人が44%に上る。

 同調査によると、スケジュール管理をする主な手段のトップは手帳で33・9%。カレンダー、携帯電話と続き、スマートフォンは8・8%にとどまった=グラフ。

 2010年には、手帳をメーンに使う「アナログ派」は57・8%だったが、12年の予定を尋ねると69・4%に増加。スマホの普及を考えると意外だが「予定を一覧しやすい」「自由に書け、使い方に制限がない」など、紙の良さを挙げる意見が目立つ。

 同センター総合企画部の矢野真弓さんは「デジタルを使ったものの、紙の手帳に取って代わるものではないと感じ、アナログに回帰しているのでは」と分析する。

種類豊富な手帳=名古屋市内で
種類豊富な手帳=名古屋市内で