中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【愛知】日本語教室の参加2社だけ 豊田市が外国人労働者向けに開設

2008/11/13

 豊田市が外国人労働者向けに今年、職場での日本語教室を始めたが、参加企業は2社にとどまっている。外国人を臨時従業員としかとらえていない企業が多いためとみられ、市では「広く参加を呼び掛けたい」と話している。

 教室は、市側が名古屋大と提携して講師を招き、日本語ボランティアが外国人をサポートして実施。多くの外国人が、帰宅すると再び外出しにくいことから、企業に出向く形態とした。

 企業は時間と場所のみを提供し、初歩レベルでは金銭負担はゼロ。会話を中心に10回を1単位に「20回の受講で片言で会話ができるレベル」を目指す。

 今月から始めた自動車関連企業「メイドー」(三軒町)では、初日に約30人が参加し、ポルトガル語に加え、中国語やスペイン語にも対応した。自己紹介に、結婚や家族の話題を交ぜながら盛り上がった。参加したブラジル人の男性従業員(32)は「普段は外国人同士でも話す機会がない」と歓迎する。

 第一段として夏に取り組んだ東海理化豊田工場では「職場での会話が増えた」「お互いの文化に興味を持てた」など好意的な意見が多かったという。

 一方、開催を呼びかけても、寮への送迎バスの増便や、準備にあたる社員の手間を懸念し、断念する企業も多いという。「不法就労の外国人を抱える企業もあり、市の事業を受け入れにくいのでは」との声も。

 市国際課の粕谷浩二課長は「外国人を『雇用調整弁』として考えている企業が多く、あまり積極的ではない」と指摘。「将来を見据えて考えれば必要な施策。なんとか続けたい」と話す。

 (池田宏之)