2011/12/15
企業に選別撤廃要求
厚生労働省は14日、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会を開き、希望する従業員全員について、65歳までの継続雇用を企業に義務付けるべきだとする報告書の原案を提示した。年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、60歳の定年以降に無収入となる労働者が出ることを防ぐのが狙い。
労政審の雇用対策基本問題部会は年内をめどに報告書をまとめる見通しだ。政府は来年の通常国会に高年齢者雇用安定法改正案を提出。2013年度からの実施に向け、早期成立を目指す。ただ経営者側は義務化に反発しており、法改正が実現するかは不透明だ。
同法は60歳の定年に達した従業員について、原則65歳まで雇用を継続するよう企業に義務付けている。ただ労使合意があれば、働く意思や能力などの基準を設け、企業が継続雇用する人を選別することを認めている。一方、政府は厚生年金の支給開始年齢を段階的に65歳まで引き上げる方針で、13年度からは60歳の定年以降に雇用されず、年金ももらえない無収入の人が生じる恐れがある。
報告書の原案は、こうした企業の選別基準の撤廃を求めた。年金支給開始までの仕事を確保し、生活困難に陥るのを防ぎたい考えだ。
一方、定年年齢そのものを65歳まで引き上げる案については、「中長期的な検討課題」とした。
中小企業などでは、同じ会社で希望者全員を雇い続けるのは限界があるとして、再雇用先の対象を関連会社などに拡大するべきだと指摘した。さらに法律に従わず雇用継続を実施しない企業については、企業名を公表するなど厳しい対応が必要とした。
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