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【富山】就職活動解禁 富山で説明会 「短期決戦」に懸念

2011/12/09

学生焦り「情報収集しっかり」 
企業心配「目向けてくれるか」 

 2013年春に卒業予定の大学生らに、富山市内の企業の魅力を知ってもらう企業体験会が8日、同市大手町の富山国際会議場であった。経団連の倫理憲章見直しで、学生が就職活動の「短期決戦」を余儀なくされる中、学生、企業双方から情報収集時間の短さを不安視する声が聞かれた。(永井響太)

 体験会は、優秀な学生が県外に流出するのを防ぎ、富山出身で県外の大学に通う学生の「Uターン」を促すのが目的。07年度から毎年開いている。今年は倫理憲章の改定で、企業説明会の開始時期が10月から12月にずれ込んだため、昨年より4カ月ほど遅い開催になった。

 リクルートスーツに身を包んだ大学生や大学院生144人は、午前中に就職活動の進め方の講義を受講。午後からは製造業や小売り・サービス業など4業種の企業15社から、3社を選んで説明を受けた。

 会場では、就職活動の短期決戦化を心配する声が聞かれた。

 県立大工学部4年の曲(まがり)貴弘さん(23)は「短期決戦になったので、企業との接点をなかなか持てなかった。情報収集をしっかりしないといけない」と焦りをみせていた。

 広貫堂(富山市)の担当者は「期間が短くなったことで説明会が他社と重なり、学生から目を向けてもらえるか心配」と漏らした。

 就職戦線の変化に関して、富山大は「学生の情報収集不足で企業とのミスマッチが増えるかもしれない」と不安視。同大は今月から東京や大阪、名古屋で開かれる合同企業説明会に参加するバスツアーを始めたほか、10~15人の学生を集めて就職講座を開催して、就職活動の支援を強化する。

 体験会は来年1月4日、県外の大学生らを対象に開かれる。

大学生らが企業から採用方針や求める人物像などについて情報収集する体験会=富山市大手町で
大学生らが企業から採用方針や求める人物像などについて情報収集する体験会=富山市大手町で