2011/11/13
実習に31人参加「不安あったが自信持てた」
市は、全国の市町村で最多となっている待機児童の解消に向け、いったん離職した保育士の現場復帰を支援するための再チャレンジ研修を実施した。子育てなどを経験した人材を掘り起こし、社会経験が豊かな保育士を確保する狙いだ。 (北島忠輔)
市内の待機児童は4月の時点で1,275人。2013年春までにゼロにする計画をたて、保育園の整備や小規模の保育室の拡充を進める一方で、保育士の確保も急務となっている。
10、11日に市立23保育園で行った現場実習には、結婚や転職などを理由に保育から遠ざかっていた22~52歳の女性31人が参加した。
東区の角谷郁子さん(46)は、現場を離れて23年。3人の子育てが一段落して、やりがいのある保育の仕事に戻ろうと思い立ち、研修に申し込んだ。
実習が行われた千種区の汁谷保育園で、砂場に入ると園児たちが駆け寄ってきた。「どんな虫がいるのかな」と声をかけると、一斉にスコップで掘り始める。園児の真剣な表情に、笑みがこぼれた。
角谷さんは「23年前と比べて虐待などのニュースが多い今、どう子どもと接したらいいか、勘を取り戻してから就職したかった」と話した。
千種区の山川ひとみさん(25)は人間関係に悩み、5年前に幼稚園を辞めた。だが、子どもに関わる仕事をあきらめきれずに応募した。「いきなり保育の現場に戻るのには不安があった。子どもに声をかけられるようになり、自信が持てた」という。
再チャレンジ研修では、実習に先立つ10月18、19日に大学教授やNPO役員らによる講義を実施。保育の基本や保護者との接し方などをあらためて学んだ。
市の担当者は「安心して子どもを預けてもらうために、経験のある保育士の確保は重要。人材の幅も広がる」と、来年度以降の開催も検討している。
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