2011/09/30
名古屋市が招待した岩手県陸前高田市立気仙中学校の1、2年生56人が29日、3日間の「学習旅行」を終え、名古屋での思い出とともに帰路に就いた。2校目の招待となった今回は観光だけでなく、就労体験も。最終日は中区栄のデパートで土産の買い物を楽しみ、中部国際空港では、搭乗口で涙のお別れとなった。
◆生徒・親から感謝の言葉
生徒らは朝食後、宿泊先のホテルで河村たかし市長やタレントの矢野きよ実さんらと懇談。名古屋での思い出を発表し、招待への感謝を述べた。
28日の就労体験で、希望したレストランの接客をした鈴木翼君(14)は「皿やコップが入ったトレーが重くて、テーブルの準備が大変だったが、怒られずにできた」と満足顔。七宝焼の老舗を訪れた武蔵瑠乃(るな)さん(13)は「作らせてもらったプレートに好きな男の子の名前を入れました」とほおを赤らめて話し、会場を盛り上げた。
陸前高田市役所で集められた被災者から名古屋市民へのメッセージも発表。気仙中のある生徒の母親は「子どもたちの宝物になるような旅行をさせていただいて、ありがとうございます。心から感謝しています」と書き込んでいた。
気仙中の越恵理子校長(56)は「生徒に未来への希望を持ってほしい。被災経験を発信するにはまだ厳しいが、温かい歓迎に感謝している」と述べた。
29日は名古屋城などを見学。お土産を買い込み、中部国際空港では合唱曲「ひとつぶのいのち」を披露。午後5時の便で出発した。
◆12月にかけて3校招待予定
市の中学生招待は市民からの寄付で行い、今後も12月にかけて3校の生徒を招く予定。次に訪れる小友中学校の生徒は名古屋まつりに参加するほか、サッカーの名古屋グランパスVSガンバ大阪戦の観戦も予定している。ほかに、両市の間では企業間など民間交流が進められている。 (北島忠輔)
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