2011/07/27
県内の労働災害全体のうちで、卸、小売り、通信、接客娯楽業など第3次産業に従事する人の事故割合が増加している。昨年の休業4日以上の死傷災害は、第3次産業が、これまでトップだった製造業を初めて上回った。製造業の現場で安全管理の徹底が図られてきた一方、第3次産業で労災への対策が遅れている実態がある。
県労働基準協会連合会によると、昨年の休業4日以上の労災に遭った人は2100人。うち第3次産業従事者は759人で、製造(730人)、建設、運送などの業種を上回って最多だった。
第3次産業の中でも多いのが、商業者の転倒。忙しい時間帯に店舗内の通路を走った際に転んで骨を折るなど、重傷化が目立つ。ほかに、脚立を使った作業をしていて高所から転落したり、急に重い荷物を持ってぎっくり腰になってしまったりするケースがある。
これまで労災の最多業種だった製造業では、大型機械を扱うなどして危険が多いため、各事業所内で安全マニュアルを徹底するなどして、着実に労災件数を下げてきている。
逆に第3次産業の仕事場では危険な場所は少ないとみられがちで、労災リスクへの意識が低い上、業種が多岐にわたるため労基署の指導が行き届いていない現状がある。
岐阜労働局では、通路で走らない、滑りにくい靴を履くといった改善策のほかに、作業所内の4S(整理、整頓、清掃、清潔)を徹底し、労災が起きにくい環境づくりをと呼び掛けている。
(中尾吟)
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