2011/07/14
NPO法人「なでしこの会」
悩み話せる 個室備える 希望者には就労支援へ
引きこもりに悩む人たちを支援するNPO法人「なでしこの会」(中区三の丸)は、ひきこもりの人とボランティアらが集う交流施設「フレンドシップなでしこ」を熱田区三本松町に開設した。施設代表の熊倉純一さん(39)は「同じ悩みを持つ人たちと気軽に懇談したりして、できるところから社会復帰を促したい」と意欲をみせている。(佐々木礼弥)
なでしこの会はひきこもりの若者を抱える親の会の東海支部で、2001年に発足。現在約120の家族が入会していて、社会復帰を支援している。10年以上ひきこもっているケースもあり、はがきやブログのメッセージで何年もかけて信頼関係を築いている。
しかし、これまでは外出を促しても、喫茶店などでは人の目にさらされる場所に出ることになり、専用施設が必要だった。
交流施設はビル1階で、ボランティアをトランプするなど気軽に歓談できるフリースペースと、人目を気にせず悩みを話せる個室を備えている。
利用出来るのは愛知県内に住むひきこもりの人と家族。定休日は日曜日と月曜で、火曜から土曜の午前10時から午後6時はボランティアが常駐する。希望者には就労支援もする予定で、熊倉さんは「社会復帰の第一歩としてまずはフレンドシップに行くことが、身近な目標になる」と話した。
会は今年、県の生活困窮者等支援事業を受託。施設の開設には県からの年間2000万円の補助金を活用した。ひきこもりの人が職に就かなければ、生活保護受給者になるおそれもあり、県の担当者は「会の取り組みは困窮する前に救済でき、新たなセーフティーネットにもなる」と期待する。
しかし、県の事業委託の原点となるホームレス自立支援法は来年に失効する。来年以降、国からの支援があるのかは白紙。熊倉さんは「ひきこもり支援は時間のかかる作業。国に継続的な支援をお願いしたい」と話している。
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