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【三重】土日操業、変わる街 商業施設も客足読めず

2011/07/03

 夏場の電力不足対策で鈴鹿市のホンダ鈴鹿製作所が2日から始めた土日操業。平日と同様に出勤した従業員からは「電力事情を考えればやむを得ない」との声が上がった。一方、市内の人の流れが普段の休日とは異なり、客足の読めない商業施設は対応に追われた。

 6900人の従業員を抱える同製作所は今週の木、金曜日を休業し、2日午前6時半から生産ラインを稼働した。技術職の石畑義則さん(50)は週末に家族と過ごす時間が減ることを心配しつつも「電力需要のピークをずらすために協力したい」と話した。工場のラインを担当する男性(18)は「友人と休日が合わないが、しょうがない」と漏らした。

 一方、土日の“平日化”で市内の商業レジャー施設の客層には変化が。コンビニ「ローソン鈴鹿本田技研前店」は出勤客を当て込み、普段の休日より弁当などの仕入れを1割増やした。ホンダの従業員も目立ったが、オーナーの工藤一成さんは「仕入れに工夫が必要だが、まだ影響は分からない」と話した。

 大型商業施設・イオンモール鈴鹿ベルシティは普段の休日より買い物客が3%減ると予測したが、客足はほぼ平常通り。担当者は「父親が仕事の家庭は遠出を避け、買い物に出掛けるのかもしれない」と推測した。

鈴鹿サーキットの遊園地は普段通り家族連れでにぎわったが、運営するモビリティランドの担当者は「一日だけでは判断できない」と影響を測りかねる。社員寮にも近いパチンコ店「ホームラン平田店」は客足が鈍り、担当者は「休日にはホンダの関係者が100人は来店する。木、金曜日と土、日曜日が逆転した状態なので従業員数を調整したい」。

  (鈴木龍司、久野賢太郎)

土日の振り替え操業を始めたホンダ鈴鹿製作所=鈴鹿市平田町で
土日の振り替え操業を始めたホンダ鈴鹿製作所=鈴鹿市平田町で