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【三重】就職支援員見直しへ 女子高生監禁事件受け

2008/10/28

 紀北町の女子高生監禁事件で高校生の就職支援員「キャリアコーディネーター」を務めていた男が逮捕されたのを受け、県議会教育警察委員会は27日、緊急に会合を開いた。委員からは、県教委がコーディネーターを直接採用する方法に改めるなど見直しを求める意見が相次いだ。

 コーディネーターは、県教委が昨年度から、一般競争入札で選ばれた人材派遣会社に委託して4人を派遣。人選も委託した会社に任せ、県教委は人物や産業カウンセラーなどの資格要件を確認していなかった。

 労働者派遣法の決まりで、派遣先の県教委は事前面接や履歴書の請求などはできないが、大野秀郎委員は「生徒に直接かかわる人を、資格や履歴などが確認できないまま派遣するのは問題」と指摘。県教委がコーディネーターを直接雇用するよう訴えた。

 逮捕された男は昨年度に派遣され、女子生徒の電話番号やメールアドレスを個人的に聞き出すなどしたため、ことし1月に解雇された。本年度も同じ会社に委託していることを疑問視する声も上がり、森本繁史委員は「金額だけでなく、質も含めて会社を選ぶべきだ」と強調した。向井正治教育長は「人物確認が不十分だったと反省している」と陳謝。「人材派遣による方法を根本から見直し、直接雇用も視野に入れて来年度以降の事業のあり方を検討していく」と話した。

 (平井一敏)