2011/06/21
県は20日、求職中の若者が県内の小中学校で職場研修を積み、就職につなげる「若者学習支援人材育成事業」を始めると発表した。若者の就職難と教育現場の人手不足を解消する「一石二鳥」の試みで、県の担当者は先行事例として有名な米国の「ティーチ・フォー・アメリカ」の日本版を目指すという。
大学、短大、高等専門学校などを卒業した30歳未満が対象で、2011年度の採用は15人を予定している。
具体的には、県の委託を受けた人材派遣会社とNPO法人が7月に希望者を募集。採用者は8月に1カ月間、事前研修をした後、9~12月に県内小中学校に派遣され、授業や部活動などを補助する。その後、教育や子どもの育成に関係する企業などで1カ月間学び、そのまま就職に結びつける。
採用者は8月~来年1月の半年間、月額14万4000円の賃金を受け取る。事業費3390万円は県の既存の緊急雇用創出事業基金から捻出する。
県が事業の参考にしたティーチ・フォー・アメリカは1989年に米プリンストン大の女子学生が設立したNPO法人が母体。有名大学の卒業生らが2年間、公立学校の職場体験を通じて自身のキャリアを磨き、受け入れる教育現場も若い人材の加入で子どもらの学習能力が向上するなどメリットがあるという。
県は20日に、事業を委託する運営団体の公募を開始。若者の就労や学習支援に詳しいNPO法人と人材派遣会社による共同提案を条件とする。
担当する県就業促進課の担当者は「米国では、若者が教育現場で子どもたちとふれ合うことで、若者自身が成長したと聞いている。人手が足りない教育現場を助け、さらに若者を定職に就かせる第一歩にしたい」と話している。(問)同課=電052(954)6366
(島崎諭生)
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