2011/06/02
常識求めるも重視されず学生側と認識にズレ
新卒者の就職難が叫ばれる中、「満井就職支援奨学財団」(静岡市葵区)などが県内企業に実施したアンケートで、約4割の企業が「営業職と技術職の若手社員が足りない」と感じていることが分かった。新卒者向けのアンケート結果と比べると、社員に求める能力について、企業側と学生側で認識がずれている実態も浮き彫りになった。 (石原猛)
アンケートは就職活動の学生や企業を支援するため、同財団と静岡経済研究所が合同で実施。今年3月、県内に本社を置く2000社にアンケートを送付し、649社から回答を得た。回答の8割は、3月11日の東日本大震災の発生前に回収した。
まとめによると、回答企業の37%が、当初の採用計画より少ない人数しか採用しなかったと答えた。理由は「採用レベルに達する者がいなかった」が47%に達した。
企業側に「採用時に重視する能力」を聞いたところ、「明るさ・元気」が59%で最も多く、「一般常識・マナー」が50%、「協調性」が49%と続いた。「新卒者に足りないもの」という質問に対しては「一般常識・マナー」(47%)、「粘り強さ」(45%)が上位に並んだ。
一方、2008年以降に入社した新卒社員400人に「就職活動時にあれば良かったと思う能力」を聞くと、「コミュニケーション能力」が47%で最多だったが、「一般常識・マナー」は29%、「協調性」は6%、「粘り強さ」は14%となるなど、企業側との認識のすれ違いも目立った。
特に一般常識については「面接の技術は向上しているが、人としての常識がない」「待ち時間の間、ずっと携帯電話をいじっている」などと、企業側に嘆く声もあった。
同財団の担当者は「同じ『コミュニケーション能力』でも、学生側は面接で上手に話せるかを重視している。一方の企業側は『元気にあいさつできる』『普通に受け答えできる』など基礎的な部分を見ている」と分析している。
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