2011/05/24
今春卒業した大学生の就職率(4月1日現在)は前年同期を0・7ポイント下回る91・1%で、就職氷河期の2000年(1999年度)と並んで過去最低だったことが、文部科学、厚生労働両省が24日発表した調査で分かった。就職を希望していたが、行き先が決まらないまま卒業した大学生は推計で約3万3千人に上る。
文科省の担当者は「企業が採用を抑えていることに加え、学生も採用意欲のある中小企業より大企業を目指す傾向がいまだに見られる」と分析している。
調査は96年度から毎年度実施。全国の大学、短大、高専など112校の6250人を抽出し、その年の10月から翌年4月まで計4回調べている。今回は、東日本大震災の影響で集計が遅れている北海道・東北の6校計320人分を除いた。全体がまとまるのは6月下旬の見通し。
大学生は男子が91・0%(前年同期比1・0ポイント減)、女子は91・2%(同0・3ポイント減)。国公立大が93・4%(同1・1ポイント減)、私大は90・4%(同0・4ポイント減)だった。前年からの下げ幅が最も大きいのは国公立大の男子で、1・8ポイント低い92・3%。専攻別では理系93・0%(同2・2ポイント減)に対し、文系90・7%(同0・3ポイント減)。
地域別では関東が92・7%と最も高く、最低は九州の88・2%。中部は調査開始以来最も低い89・0%で、文科省は「大企業が多い地域のため、不況の影響が特に強く出たのでは」としている。
短大や高専などを含めた全体の就職率は90・3%(前年同期比1・1ポイント減)だった。
一方、全員が対象の高校生の就職率(3月末現在)は93・2%で、前年同期より1・6ポイント改善。ただ被災地では、宮城県が前年同期比3・3ポイント減の87・6%、福島県は同2・4ポイント減の93・1%と下落した。岩手県は0・1ポイント増の95・1%だが、震災で調査ができなかった学校もあり、実際はさらに低い可能性もある。
(中日新聞)
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