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【愛知】県内「派遣」4人に1人休業 業者6割弱「影響ある」

2011/04/29

 東日本大震災に伴う企業の減産などで、県内の派遣従業員の4人に1人が自宅待機などの休業を余儀なくされたことが愛知労働局の緊急アンケートで分かった。県内の雇用環境が厳しさを増していることが裏付けられ、労働局は「減産が長引けば一段と雇用への影響が懸念される」と警戒を強めている。

 愛知労働局は震災から1カ月後の12~22日に、県内にある派遣会社1050社に緊急アンケートを実施、356社から回答を得た(回答率33・9%)。それによると、各社が震災前に契約していた派遣従業員は合計1万3117人。うち4分の1に当たる3323人を震災後、一時的なケースも含めて休業させたと回答があった。

 「震災の影響があった」「今後、出てくる」と回答したのは全体の6割弱。うち半数以上が部品の供給停止で派遣先が操業停止に陥り、自宅待機を求めてきたという。派遣会社の一部は休業中の給与を国が一部助成する雇用調整助成金(雇調金)で何とかしのぐ考えだが、中には解雇に踏み切ったケースも。減産のしわ寄せが立場の弱い期間従業員に及んでいることが浮き彫りになった。

 労働局によると、3月に雇調金受給を届け出た企業は前月比14・4%増の6154社。受給対象の社員は15万6815人で、ほぼ倍増した。届け出た企業は中小企業が中心で、53・6%は主力の自動車産業など製造業。トヨタの減産が下請け企業の経営を直撃していることを示した。

 労働局が28日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は震災前の求人件数の伸びで、前月比0・01ポイント増の0・82倍で5カ月連続で上昇したが、雇用環境は冷え込んだとみている。

 (藤沢有哉)