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【長野】被災工場が業務再開 岩手の大村技研、飯島で再出発に意欲

2011/05/02

 東日本大震災で被災した精密部品製造の大村技研東北工場(岩手県釜石市)が1日、飯島町内の空き工場に従業員や機器などを移し、「長野工場」として業務を再開した。従業員らは「被災前の状態に1日でも早く近付けるようにしたい」と900キロ近く離れた土地での再出発に意欲を新たにしていた。

 全5棟あった東北工場は大震災による津波で倒壊したり、設備や機器が浸水した。現地での再開のめどが立たないことから、同社が同町の工業団地に所有していた関連会社の空き工場を使い、生産再開の準備を進めていた。

 長野工場では、東北工場と同様に携帯電話を充電するための接続部品を生産。工場内には新たに調達したパソコン9台が設置され、初日は午前8時半から従業員6人が部品を製造する自動組み立て装置の設計作業をした。特別な式などは行わなかった。

 装置のできる7月末ごろから部品の生産を開始し、当面は10人体制で業務に当たる。大型連休中も休日は1日だけで交代で勤務。以降は受注、生産状況などをみて増員する。

 佐々木健部長代理(43)は「一からのスタートで準備が大変だったが、業務再開にこぎつけることができた。次は早く生産活動ができるようにしたい」。また設備などの担当技師の佐々木哲さん(43)は「釜石もいまは桜が散り始めるころで、飯島町と気候は似ている。家族を残しての単身赴任で大変な面もあるが、東北工場のような活気のある工場にしたい」と話していた。 (鴨宮隆史)

パソコンを使って設計作業をする従業員=飯島町の大村技研長野工場で
パソコンを使って設計作業をする従業員=飯島町の大村技研長野工場で