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【経済】来春の主要106社 「新卒採用増やす」36% 震災で景気悪化懸念も

2011/04/13

 共同通信社は12日、主要企業106社を対象に実施した2012年春入社予定の新卒採用計画のアンケート結果をまとめた。東日本大震災発生後の調査だったが、11年春に比べて「増やす」と回答した企業は38社(36%)と約4割に達し、「減らす」14社(13%)の3倍近くに上った。43社(41%)は「11年春並み」と答えた。

 「超氷河期」とされた就職戦線に明るい兆しが見えた形だが、企業は大震災の影響を十分把握できていない。景気悪化懸念から「減らす方向」(外食)と変更を検討する企業もあり、今後の景気次第では不透明感が強まる可能性もある。

 一方、就職活動が難しい被災地の学生に対し、採用選考の開始時期を遅らせるなど、ほぼ全社が何らかの配慮をする姿勢を示した。

 調査は当初、2月下旬に実施、3月半ばにまとめる方針だったが、3月11日に発生した大震災の影響を反映させるため、再質問を3月下旬に配布。発生から約1カ月をめどに集計した。

 大震災前の計画に比べて採用人数を「減らす」と回答した企業は1社のみで、96社が「震災前と同じ」と回答。中国など新興国経済の急成長による海外需要の拡大を背景に、業績の回復傾向が続いているほか、社員の年齢構成のバランスを重視する企業も多く「現時点では計画通り」(運輸)と判断したとみられる。

 ただ震災前と同じとした企業でも、流通や外食などが個人消費落ち込みを警戒しているほか、電力不足や施設の被災が業績を圧迫する製造業やエネルギーなどからは「変更が必要か検討する」(電力)など、採用計画を見直す可能性も示された。