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【静岡】被災者5人雇用へ 静岡市清水区のオカムラ運輸

2011/03/27

「希望持って」願い

 東日本大震災で職を失った被災家族を支援しようと、静岡市清水区の運送・建材販売業「オカムラ運輸」が、妻や子どもを持つ被災者の雇用を決めた。岩手、福島県の知人の紹介で5人を雇う。岡村肇之社長(41)は「被災者が静岡で働いて収入を得て、将来の希望を持ってほしい」と願いを込める。 (静岡総局・石原猛)

 昨年まで静岡青年会議所の会員だった岡村社長は震災後、「中小企業の経営者に何かできないか」と考え、岩手や福島の知人の青年会議所の元理事らに連絡を取った。その中で、会社が被災して仕事がなくなり、不安を抱く父親が増えていることを知った。

 「私も二人の娘がいる。100万円の義援金を寄付しても、一時的な支援にしかならない。被災者の家族が路頭に迷わないよう支えるのが役目だ」と被災者雇用を思い立った。

 24日の社内会議で、まずは3人の雇用を提案したところ、社員から「もっとできる」と予想を超える反応があった。雇用を5人に増やし、会社一丸で被災者を支えていくことが決まった。

 同社は、被災者をトラック運転手などの正規従業員として雇う予定。岡村社長は「被災地の復興が進み、故郷に戻りたくなったら中途退社してもらって構わないし、静岡で働き続けてもらっても良い」と配慮を見せる。

 「私の会社だけでできることは限界がある」とも語り、今後、県内の中小企業経営者やNPOの関係者にも協力を呼び掛けるという。「私たちがきっかけとなって、支援の動きが広まってくれれば」と力を込める。

岡村肇之社長
岡村肇之社長