2011/02/22
家庭に配慮 閉店は夕方
美容室など経営のマナコーポレーション(金沢市)が系列の一部店舗を、結婚した美容師が主婦をしながら働ける店として展開している。家庭に入って辞めるケースが多い美容師に結婚後も働く道を開こうとの試み。家庭のための配慮で日曜祝日は休み、平日も営業は夕方までとしているが、暮らしの経験で会話も弾む主婦美容師の店は利用客にも好評だ。(辻紗貴子)
同社が主婦の働く美容室としているのは石川、富山両県内で経営する十九店舗のうち金沢市と周辺の八店舗。「きらら」と「ポップス」の店名で、ここで働く美容師は全員が主婦。店の営業は平日と土曜だけで、午後五時に閉店。休みの日と夕食時は家庭で過ごすことができる。
経営者の瀬川憲章さん(49)によると、女性の場合は美容師として活躍していても、結婚すると、日曜祝日を営業日とすることが多い美容業界では勤めにくく、辞めていくケースが多い。「せっかくの技術と資格を生かせないのは残念」と考え、十年前、金沢市窪の店舗で実験的に主婦の美容室を始めた。以来、徐々に店舗を増やし、今は三十四人の主婦が美容師に復帰するなどして各店で働いている。
金沢市有松の店で働く川直美さん(39)もその一人。出産を機に美容師を辞めたが、子どもが手を離れた時期に勤務条件を見て飛びついた。「日曜祝日や学校行事の日を子どもたちと過ごせるのがうれしい」と生き生き。有休もしっかり取れるため「家族も応援してくれる」と言う。
美容業界は離職率が高いとされているが、同店の美容師は開店当初からの「十年選手」も多く、三十~六十代が中心。主婦ならではの飾らない会話と、細やかな気配りが持ち味だ。
厚生労働省職業家庭両立課によると、「家庭を持つ女性のために夕方五時閉店とするケースは珍しい」という。主婦の活躍ぶりに、瀬川さんは「他の職種でも、もっと柔軟に女性が活躍できる場が広がってくれれば」と話している。
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