2011/02/15
今春卒業予定で、就職先が決まっていない大学生が、愛知県内の中小企業を巡る2泊3日の就職活動ツアーが14日始まった。大企業が採用を抑制する一方、訪問を受ける中小企業は「人材確保の好機」ととらえ、自社アピールに一生懸命だ。
経済産業省と日本商工会議所が全国14ヵ所で実施する「魅力発見ツアー」の一環。愛知、岐阜県在住の大学4年生8人が参加した。初日は3社を訪問。街路灯を受注生産する日本街路灯製造豊明工場(豊明市)では、工場担当者が「大手が嫌がる小規模で手の込んだ仕事を得意とすることで差別化している」と強みをアピールした。
学生たちは熱心に質問。名城大4年の男子学生(22)は、志望の金融機関を中心に就職活動をしたが内定に至らず「このツアーで絶対に決めたい。町工場に来たのは初めてだが、やりがいがありそうだ」と意気込んだ。
15日に訪問を受ける加工器具製造、クロイツ(刈谷市)の中田周一社長は「中小に目を向けてくれることは少ないだけにチャンス」と期待している。
今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月現在)は68・8%で過去最低。中部地方は61・7%で全国最低と厳しい雇用情勢が続く。一方、今春の新卒予定者採用がほぼ終わった大企業に対し、中小企業の中にはぎりぎりまで門戸を広げて新卒者を取り込もうとする動きが見られる。
就職情報サービス会社の毎日コミュニケーションズ名古屋支社は「中途採用の市場は、転職者の減少で企業側の人材確保が難しくなってきている。卒業間近の新卒者を受け入れ、優秀な人材を確保しておきたいという意欲の高い中小企業が増えている」と説明している。
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