2011/01/26
大学生の就職内定率の低さが深刻さを増す中、今春の卒業予定者を対象とした企業説明会が25日、岐阜市内であり、参加した大学生ら10人に話を聞いた。3年生から活動を始め、数十社の試験を受けても就職先が決まらない学生たち。「採用人数が少なすぎる」「落ち続けて自信がなくなってきた」と悲痛な声が聞こえてきた。
◆就活状況
就職に向けてまじめに取り組んでいるにもかかわらず、内定がもらえない厳しい状況。精神的にも金銭的にもさまざまな苦労を呼んでいる。
営業職を希望する土岐市の男子(22)は面接で、実際の営業を想定した難題を突きつけられて「こういうこと、できるの?」と繰り返し聞かれた。それが何社も続いて「本当に営業がやりたいのか、自信が持てなくなってきた」と嘆く。
70社を受けたという大垣市の女子(22)は「東海地区の会社に絞っているが、それでも交通費がかさむ。就活で忙しく、思うようにアルバイトはできない」と、費用の多さに困惑していた。
◆大手志向?
低い内定率の要因として、学生の大企業志向も指摘されている。瑞浪市の男子(22)は「就職した企業には一生、勤めたい。どうしても大手の方が安定したイメージがある」と話した。
一方、羽島市の男子(21)は「活動の最初は大手を目指したが、もうそんなことも言っていられない」と焦った様子。初めから大手へのこだわりはないという学生もいた。
◆決まらなかったら
最悪の場合、3月までに決まらないこともある。土岐市の女子(22)は「派遣会社に登録しながら探す」、大垣市の女子(22)は「アルバイトしながら資格を取得し、仕事を探す」と話し、卒業した上で就活を続けようと考える学生が多かった。
ただ、既卒の美濃加茂市の男性(23)は「既卒は門戸が狭い。就活の仲間がいなくなり、相談もできない」と、卒業後にさらに厳しさが増す現状を語った。
◇ ◇
企業説明会は、岐阜公共職業安定所などが岐阜市文化センターで開催。今春卒業予定の大学生や高校生ら250人が参加し、県内に事業所を持つ80社のブースを回って担当者の話を聞いた。
(寺本康弘)
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