2011/01/23
今春高校を卒業する3年生の昨年12月時点の就職内定率は86・8%と厳しい雇用情勢が続く中、亀山市の亀山高校の内定率が99・2%に達した。県教委高校教育室の加藤幸弘副室長は「普通科併設校でほぼ100%というのはかなり高い数字だ」と評価。充実した進路指導が実を結んだ形で、文科省の「キャリア教育優良学校」にも県内で唯一認定された。
同校にはシステムメディア、総合生活と普通の3科があり、ことしの就職希望者は125人のうち124人の内定が決まった。周辺地域にはシャープ亀山工場、ホンダ鈴鹿製作所などの製造業の立地が目立ち、こうした企業への就職も多いという。
就職希望の生徒は1年生から進路ガイダンスで職業や職種について学ぶ。2年生で亀山市近郊の企業や商店など41カ所でインターンシップ(職業体験)をし、企業見学にも参加したうえで就職したい企業や職種を絞り込み、3年の夏から秋にかけ就職試験に臨む。
進路指導の中心は、3年の12月に参加する「キャリア教育学習発表会」。自らの進路選択を振り返りながら発表する会には1、2年生も出席し、早い段階から先輩の職業選択を学ぶことができる仕組みにした。担当の堀雅一教諭は「早い段階で就職に対する高い意識を植え付けることができる」と効果を強調する。
こうした取り組みが評価され、文部科学省が東京都で開いた「キャリア教育推進フォーラム」で「優良学校」に認定。全国の24教育委員会、小中高校75校、企業など15団体が表彰される中、県内からの受賞は同校だけだった。松井慎治校長は「3年間を通した体系的なキャリア指導が評価された。インターンシップなどでお世話になっている、地域のみなさんのおかげ」と話している。
(久野賢太郎)
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから