2011/01/21
3年生対象 あす金大でセミナー
学生企画、企業も参加
厳しい就職戦線を経験した大学四年生が模擬面接で面接官となり、就活を控えた後輩の3年生に助言するセミナーが22日、金沢大で開かれる。就職難が深刻化する中、学生自らが企画した就活支援策で、既に内定を得た四年生が各企業の人事担当者とともに面接官を務める。より近い立場で助言し、面接の後は座談会を開いて個々の反省点を一緒に見つめ直す。(前口憲幸)
金大で活動する学生団体「Sips(シップス)」が発案。今春に卒業を予定する大学生の就職内定率が過去最低水準となり、危機感が広がる中、就活で面接の重要性を実感したメンバーらが初めて企画した。
先輩が就活の成功例や失敗談を語り、後輩たちに伝えるだけでなく、面接官として直接審査。座談会には金沢大OBの若手社会人らも加わって、改善点をざっくばらんに話し合う。過去にはインターンシップ(就業体験)や自己分析をテーマにしたイベントを開き、就活を支援してきたが、踏み込んだ内容に改革した。
セミナーは、大学の就職支援室の主導ではなく、企業への協力依頼や参加者の募集など、すべて学生が手掛けた。角間キャンパスが会場で、県内に拠点がある不動産や保険、自動車など約10社が協力する。3年生40人が10教室に分かれ、模擬面接に臨む。緊張感を大切にするため、グループ面接も個人面接も完全な個室形式で行う。
Sips代表の栗山憲人さん(23)=教育学部四年=は、2010年春に希望通り就職できず、卒業した大学生は約3万1千人と、09年春に比べて2・2倍に増えた現状に触れた上で、「厳しいといって『どこでもいいから内定を取る』という趣旨ではない。三年生には自分を知り、理想の将来像を考えるきっかけにしてほしい」と強調。無事に就職内定を得た自身の経験を踏まえて「面接は経験が大切だが、都会に比べ、地方の大学は機会に恵まれていない。実践を最優先し、情報を共有する場にしたい」と話している。
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