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【社会】来たれ就活学生 企業の魅力 親にPR 岐阜県がセミナー計画

2011/01/19

 学生の新卒採用が冷え込む中、岐阜県は新年度、中小企業の魅力や働きがいを保護者にPRするセミナーを計画している。中小への就職に難色を示す保護者の存在が学生の大手志向に影響を与えているとの指摘もあり、まず親を説得することで中小への就職を加速させる考え方だ。

 全国的に大企業の求人倍率が高いのに対し、大半を占める中小企業は、求人が埋まらないのが現状。しかし、県内では自動車や航空機関連の製造業をはじめ、きらりと光る独自技術を持つ優良な中小企業が多い。

 このため、県はモノづくり主体の中小企業と、岐阜、愛知両県の理工系を中心とする学生のマッチング事業を新年度から本格化させる。その一環で保護者への積極的なアピールに取り組み、企業を協力してセミナーを開く。

 最近は子どもの就職活動に関与する親が増えているとされ、国は昨年9月、保護者への中小企業の売り込みを強化する方針を打ち出した。一部の大学や企業は保護者向けの説明会を開いているが、自治体による取り組みは珍しいという。

 県労働雇用課は「具体的な数字はないが、現実として親の意見が就職先の決定に影響を及ぼしているとみられる。知られざる中小企業の力やそこで働く魅力を伝えたい」と話している。