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【社会】大卒内定率68・8%で最悪 12月、地域別で中部最低

2011/01/18

 今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月1日現在)が68・8%(前年同期比4・3ポイント減)で、調査開始の1996年以降、最悪だったことが、文部科学省などの調査で分かった。今春卒業分の調査は2回目。初回だった昨年10月1日現在の調査(57・6%)も過去最低で、依然として厳しい雇用情勢が続いている。短大も45・3%(同2・1ポイント減)で過去最悪だった。

 地域別では、中部(東海3県を含む10県)が61・7%(前年同期比8・0ポイント減)で最低だった。中部が12月1日現在の調査で最低になったのは初めて。トヨタ自動車の関連企業が採用を手控えた影響などが考えられるという。

 「就職氷河期」と呼ばれた2000年前後も下回る事態に文科、厚生労働両省は3月まで集中支援を展開する。


 卒業予定者は推計55万5000人。就職希望者は40万5000人だが、内定者は27万9000人で、12万6000人はまだ就職が決まっていない。内定率は、私大が過去最悪の66・3%(同4・2ポイント減)。国公立大は私大より約10ポイント高い76・7%(同4・0ポイント減)だが、最も低い03年の75・1%に次ぐ低さだった。

 男女別では、前年同期はほとんど差はなかったが、今回調査では男子70・1%(同2・9ポイント減)に比べ、女子は67・4%(同5・8ポイント減)とやや低かった。国公立、私立別にみると、「私大女子」が最も低い63・9%(同5・1ポイント減)と苦戦している。文系と理系では、理系が71・3%(同7・3ポイント減)で文系の68・3%(同3・7ポイント減)を上回ったが、下げ幅は大きかった。

 地域別では、北海道・東北は唯一、前年から改善した。最低だった中部10県の対象県は愛知、三重、岐阜と静岡、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野。

 大学と短大、高等専門学校を含めた全体の内定率も、最も低い67・9%(同4・0ポイント減)だった。

◆高卒内定は前年上回る、11月70・6%
 今春卒業予定で就職を希望している高校生の昨年11月末時点の就職内定率は、前年同期より2・5ポイント上回る70・6%だったことが厚生労働省の調査で分かった。

 集計によると、求人数は約17万4000人で前年同期比0・8%減少。求職者数は約16万8000人で0・6%増え、求人倍率は1・03倍で前年同期を0・02ポイント下回った。

 中学生の求人倍率は前年同期を0・02ポイント上回り、0・41倍だった。