2011/02/13
県内で働く労働者の平均月給(所定内賃金)は昨年6月末現在、27万3990円で、前年同期から5729円(2・1%)増加したことが県の調査で分かった。来月から本格的に始まる春闘(労使交渉)は、リーマン・ショック以前の水準を超える賃上げがあるかが焦点となりそうだが、労使には温度差がある。
調査は5人以上の労働者がいる約7600事業所を対象に行い、約3000事業所が回答した。県労働雇用課によると、一昨年の平均月給はリーマン・ショックを受けて前年から2・6%減り、約26万8000円と過去10年間で最低だった。昨年は2年ぶりに回復したものの、過去2番目の低さにとどまる。
「給与が上がらないからデフレになる。世論を喚起したい」。連合長野の中山千弘事務局長は、今年の春闘では2008年の水準以上に引き上げたい考えだ。月額6600円程度の賃上げを求め、2月初めに県経営者協会など経営側に申し入れる。
これに対し、県経営者協会の関安雄専務理事は「企業側も一番厳しい時を過ぎたが、最終的には個々の企業の判断」と一律賃上げを否定。「かつてのようには物価が上がっていない」とも話し、慎重姿勢をみせる。経営側も、連合長野の申し入れ前に交渉方針を決定する。
中山氏が「子育てにお金が必要な30~40歳の給与の回復が必要」と強調すれば、関氏は「経済の先行きは不透明。企業業績は月給ではなく、ボーナスに反映させる方が良い」と話すなど、両者の考えの隔たりは大きい。
(大平樹)
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