2011/01/05
◆車内放送、連結の見学など
名古屋鉄道が1年半前に始めた子ども向けの体験イベントが静かな人気だ。社内で業務改善策を話し合う中で浮かんだ企画だが、夏休みや冬休みのイベントとして定着し、家族ぐるみの「名鉄ファン」づくりに一役買っている。
イベントは「たい・けん・がく!!」と銘打ち、駅の裏側を見学したり、実際の車両で車内放送をしたり、百貨店で客を出迎えたりと、名鉄グループの特徴を生かした企画ばかり。
2009年春、名鉄の名古屋市や知多半島を管轄する中部支配人室が増収や経費節減などの業務改善策を職員に募った際に「将来の名鉄のファンづくりが必要」と子ども向け企画案が出てきた。
開催場所へ名鉄を使って集まってもらうのが「参加費」で、採算は度外視だが「子どものころから名鉄に親しんでもらえれば、将来のファンになってもらえる」と先々の効果に期待する。
各イベントでは小学生とその親など10~30組を募っているが、いずれも抽選となる人気ぶり。これまで14回開き、1400人以上が参加し、特に人気があるのが、制帽をかぶった車掌体験だ。
中部国際空港駅で発車を待つ特急電車「ミュースカイ」内で、マイクを持って列車の行き先案内などをしてもらう。基本的な例文は用意しているが、子どもたちは即興でアナウンスするなど車掌気分を満喫している。
ほかに電車の連結する様子を間近で見たり、子ども用制服で記念撮影したりなども人気。参加した子どもから「将来運転士になりたい」といったお礼の手紙が来たこともある。名鉄は「鉄道を起点にグループ会社にとどまらないイベントに広げていけたら」と新たな企画も検討中。募集はその都度、名鉄のホームページで案内している。
(村瀬悟)
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