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【岐阜】事業所7割が違反 県内の外国人技能実習生受け入れ

2010/12/21

 県内の7労働基準監督署が昨年度、外国人技能実習生を受け入れている89事業所を対象に実施した監督指導で、72%に当たる64事業所で法定賃金の不払いなどの労働基準法違反があり、労基署の勧告で支払われた賃金が4547万円に上ることが、岐阜労働局の調べで分かった。

 同局などでつくる「技能実習生等受入適正化推進会議」は近く、事業所に実習生を派遣する第一次受け入れ機関の約160組合に対し、実習生の労働条件の確保や改善を求める要請文を出す。

 同局によると、違反のうち最も多かったのは、法定割増賃金(残業手当)の不払いで47件。最低賃金の不払いが22件、労働時間の違反が12件、労働条件を明示していないケースが9件、不当な貯蓄金管理が5件などと続いた。

 賃金の不払いでは39事業所に、適正な賃金を支払うよう勧告。127人に対し、計4547万2651円(1人平均約35万8000円)が支払われた。

 指導監督した事業所の違反率は06年度から70~80%台で推移。勧告による是正支払額は06年の1億5700万円から減少しつつあるものの、依然として高額の状態が続いている。

 県内で働く外国人技能実習生は約9000人で、愛知県に次いで全国で2番目に多い。同局は「毎年、指導しているが、改善がみられない。悪質な事案は司法処分していく」と指導を強化する考えを示した。

 (山本真嗣)