2010/12/18
素潜り漁をする海女の数がこの30年余に4分の1以下の2160人に激減したことが、海の博物館(三重県鳥羽市)による全国の海女実態調査で分かった。海女漁の本場・鳥羽志摩を抱える三重県は都道府県別で1位の座は変わらないものの、7割減の973人に。約60人いた愛知県はゼロとなった。
同館によると、全国調査は1978(昭和53)年に水産庁が実施して以来32年ぶり。今年4月から各都道府県の漁協などへのアンケートや独自の聞き取りをした。
78年の水産庁調査では、全国で9134人いたが、今回は76%に当たる6974人が減少。26都道府県から18道県に減った。
三重県に続いて多かったのは石川県197人、千葉県158人、静岡県139人。ほかに福井県は76人、富山県や東京都などはゼロになった。
海女の激減は、全国的に海女の主な漁獲対象のアワビやサザエなどの減少や、後継者難が要因とされる。
海女は世界でも日本と韓国・済州島にしかおらず、石原義剛館長(73)らは2年前から橋渡し役となり、三重県伊勢志摩地域の自治体と済州島が連携し、海女の世界遺産無形文化財登録を目指している。
石原館長は「このままでは十数年後に消滅する可能性もある。済州島は海女の生活基盤の支援を盛り込んだ条例もできており、日本でもきちんと考えていく必要がある」と話している。
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