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【社会】教員免許、正規は修士レベル必要 文科省が新制度検討

2010/11/30

 文部科学省は29日、大学4年間で単位を取得すれば教員免許が取れる現行制度を変更し、新卒者の免許を2種類に分け、正規教員として本格的に教壇に立つには教職大学院修了など修士課程レベルの免許取得を求める新制度の検討を始めた。

 今後10年をめどに実現にこぎ着けたい考えで、30日の中教審特別部会に提示する。

 構想によると、大卒者に与える免許は「基礎免許」とし、大学学部段階での教職課程修了を証明するという暫定的な資格にとどめる。取得者は教員にはなれるが、担任に就かず校務や授業を補助する役割とする。

 正規教員につながる「一般免許」を取得できるのは、教職大学院や、大学院の教育学研究科修士課程を履修した人を想定。

 ただ、資格者を限定しないよう大学での基礎免許取得を大学院の入学要件とはしない方向で、教職課程を履修していない学生や、社会人も教員を目指せるようにする。制度の移行段階は、学部卒業者も正規教員として受け入れる考えだ。

 また、学校段階別になっている現行の免許を統一して「義務教育(小中)免許」「中等教育(中高)免許」とし、学校種を超えて教えられるようにする制度も検討する。

 文科省は、教員養成の主流を学部から大学院に段階的にシフトさせたい考えだが、教職大学院新設が困難な大学が多いことなどを踏まえ、学部卒業者にも暫定的性格の免許を与える方向で検討する。

 文科省は2種類の教員免許とは別に、教員になって10年程度の中堅教員が教職大学院で学び直し、学校経営や生徒指導などに関する「専門免許」を得る仕組みも検討。最終的に新たな免許は「基礎」「一般」「専門」の3段階とする方向だ。