2010/11/25
学校を今春卒業したものの就職が決まらず、浜松市の「就活」応援事業で実践的な研修を積んできた若者たちが今月末、修了式を迎える。自らの弱さを見つめ、職業選びを深く考えた7カ月。自信が芽生えた若者たちが、冷え込みは前年より深刻度を増している就職戦線に、再び挑む。 (報道部・後藤隆行)
「よろしくお願いします」「ありがとうございました」-。若者たちが大きく声をそろえ、深々と頭を下げた。24日、浜松市役所で開いた座学のテーマは、エコカーなど新産業創出の動向。講師役の職員は「中小企業も地域でいろいろ連携している」と強調した。顔を出した鈴木康友市長は「いよいよ集大成の時期。全員が就職できるよう健闘を祈ります」と励ました。
若者たちは、市の公募事業を受託した就職支援会社に短期間雇われる形で、さまざまな研修を重ねた。あいさつの所作に始まり、会話や文章の構成力を磨いた。実習では営業や事務などの仕事を体験し、市が運営する求人サイトの登録事業所を増やす飛び込み営業もこなした。
「論理的に話すことが苦手でしたが、強化できた。文章もより具体的に書けるようになった」。愛知県豊橋市の大学を卒業した女性(22)=中区=は手応えを感じている。在学中は「履歴書に記す自己PRが散文的」で、書類選考を通るのも大変だったという。希望の事務職だけでなく、営業職にも興味を持ち、視野を広げている。
市内の私立高校を卒業した男性(19)=中区=は「目上の人を敬うなど、話し方がしっかりできてきた」と話す。高3の時は面接試験でうまく答えられず、「自分に自信がなかった」。製造業の現場志望だったが、長短所を見つめ直し、今は配送関係の仕事に就きたいと考えている。
現在の参加者は23人で、高卒と大卒・短大卒がほぼ半々。市の労政担当者は「最初はあいさつもできない状態だった」と成長ぶりに目を細める。
実習先で認められるなど、4人がソフトウエア会社や流通会社などの内定を得た。ただ、ほかの参加者は30日の修了式を終えると、自力で就職活動を続けることになる。市によると、少なくとも年内は委託会社の研修室を引き続き開放し、相談にも応じていく。
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