中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【石川】県内の私大 就活健闘 超氷河期の厳しさですが…

2010/11/20

全国平均上回る 内定率80%超の大学も
親身な指導が奏功

 県内の私立大学が学生の就職内定率アップで健闘している。文部科学省が発表した十月一日現在の内定状況によると、大学(学部)の全国平均は57・6%で前年同期より4・9ポイント低く、私大は55・8%で同3・8ポイント減とさらに低いが、県内では今月中旬で80%前後を達成している私大もある。(室石和夫)

 就職内定率は就職希望者に対する内定者の割合。金沢星稜大は二百八十九人の希望者に対し、十七日現在で82・0%が内定。

 北陸大も日本人学生七十八人に対し、十六日現在で78・2%と高い。北陸大の場合、“売り手市場”の薬学部が四年制から六年制への移行段階にあり来春の卒業生はゼロ。文系の未来創造学部だけでの数字だ。

 星稜大は、学内で企業合同説明会を頻繁に開催。就職課は「今の四年生が三年生の二月に一回、四年になってからは五、七、八月に開き、今月も予定する」と話す。

 北陸大は綿密なカウンセリングを実施。オープンフロアの目立つ所に就職指導室の職員三人が陣取る。「職員一人当たり約三十人で顔と名前が分かる。前を通る学生に職員から声を掛けている」と吉田和弘室長。三~六月の就活ピーク時には今年初めて、対応時間を午後十時まで延長して“夜型”の学生に合わせた。学生の大半が短期を含む海外留学経験があり「これが一番大きい」ともいう。

 全国的な知名度がある金沢工業大も、十月一日現在で、前年同期比6ポイント減ながら67%と健闘。現在は80%を超えているもよう。

 厳しい経済状況に対応し、大手企業だけでなく、中小企業にも就職先を広げるよう学生に助言。「ホンダやソニーも元は小さな会社。中小企業でも世界を舞台にする企業に発展する可能性がある」と意識付けしているという。

オープンフロアの就職指導室で学生と面談する吉田室長(右)=金沢市の北陸大で
オープンフロアの就職指導室で学生と面談する吉田室長(右)=金沢市の北陸大で