2010/11/08
政府税制調査会が2011年度税制改正で、サラリーマンの収入の一部を必要経費とみなして控除する「給与所得控除」に上限を設ける方向で検討していることが7日、分かった。年収のうち、2千万円を超える部分を控除の対象から外す案が有力だ。
給与所得控除には上限がなく、収入が高くなるほど控除額が増える。高所得者層を優遇しているとの意見もあり、収入に応じた税負担を求めるのが狙い。
ただ、2千万円超の部分を対象外にしても税収増は限られるため、1千万円超にすべきだとの意見もあり、上限額をめぐっては紆余曲折がありそうだ。税調は9日に全体会合を開き、所得税の見直しに向けた議論を本格化させる。
税調が2日実施した意見聴取で、連合は「収入2千万円程度をめどに上限を設けるべきだ」と要望。有識者で構成する税調の専門家委員会が10月に開いた会合でも、限度額を設けるべきだとの意見が大勢を占めた。
現在の控除額は、年収500万円の人は154万円で、1千万円なら220万円となり、2千万円では270万円。3千万円は320万円。
上限を2千万にした場合、年収3千万の人の控除額は50万円減り、上限1千万円なら100万円減る。対象となるサラリーマンは、年収2千万円超が全体の0.4%に当たる約18万6千人、1千万円超だと3・9%に当たる約175万7千人。
一方で税調は転勤の引越しや、単身赴任者が帰宅する際の往復旅費など特定の支出について、給与所得控除額を超えた金額を課税所得から差し引ける「特定支出控除」の控除枠は拡大する方向で検討している。
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