2010/11/03
土建業界が低迷する中、岐阜県高山市の土木会社「サンド開発」は、本業の傍らネット販売業などを展開、会社の屋台骨を支えている。新たに始めた格安オーダーメードシャツのネット販売も順調で、砂田達也社長(47)は「他のことをやらなければ土建業は生きていけない」と経営の多角化に前向きだ。
オーダーメードシャツは中国・大連の製造業者と提携し、今年8月から代理販売している。200種類の生地があり、ボタンの種類やポケットの大きさも選べる。関税のかからない個人輸入で商品を直接届けるため、4900円(送料別)からと低価格を実現、月に100枚ほど注文が入る。太って古いシャツが着られなくなってきた人が8割を占め、リピーターもいるという。
サンド開発は1993年、砂田社長が創業。主に岐阜県や高山市の公共事業の元請けを担ってきた。それが2001年に小泉政権が公共事業を削減する改革を実施し、「(本業だけでは経営が)苦しくなることを肌で感じていた」(砂田社長)。このため4年前にネット事業などを始めて異業種に参入した。
ネット販売のほかに高山市と神奈川県で居酒屋も経営。ネット販売では、オーダーメードシャツや飛騨牛を扱うほか、第2種旅行業免許を取得しての旅行業も展開する。
今年3月期決算の売上高は約2億7000万円で、飲食とネット販売の“副業”で4割を占める。本業の土木業は約10年前と比べて半減したが全体では微増。パートを含む16人の従業員数も横ばいで雇用を確保している。
ただ砂田社長は「地元のインフラを守っている。冬は除雪しないといけないし、大雨で堤防が決壊したらいの一番に駆けつけないといけない」と“土建業者のプライド”を強調。本業をやめるつもりはないという。
(白山泉)
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