2010/10/20
医療従事者の労働組合「県医療労働組合連合会」(津市)が、県内の看護師の勤務実態に関するアンケート結果をまとめた。人手不足による激務などを理由に、回答者の8割強が「看護師を辞めたい」と考えている実態が明らかになった。
日本医療労働組合連合会の全国調査の一環。県内の国公立、民間の病院・診療所の看護師1万1000人のうち、9%の997人から回答を得た。
仕事を辞めたいと思う人は「いつも思う」25・9%、「ときどき思う」56・6%の計82・5%で、「思わない」の13・1%を大きく上回った。理由(複数回答)は「休暇が取れない」(46・7%)「人手不足で仕事がきつい」(46・2%)「夜勤がつらい」(36・5%)が目立った。
国際労働機関(ILO)の国際看護職員条約(日本は未批准)は、勤務と勤務の間隔を最短で12時間以上とするよう求めているが、88%が「12時間未満」と回答した。有給休暇を「すべて取れた」は3・6%、「5割以上を取得」は13・8%にとどまった。
看護師の8割が慢性疲労を、7割が健康上の不安を感じていると回答。鎮痛剤や睡眠剤などを常用している人は6割に上った。妊娠中に思うように休暇が取れず、3人に1人が切迫流産を経験した。
県連合会は、職場環境の改善や人材確保を求める要望書を9月に野呂昭彦知事あてに提出した。
県連幹部は「看護師の勤務実態の厳しさが、離職率の高さにつながるなど悪循環に陥っている。行政の施策は医師不足に目が向きがちだが、看護師の職場環境も整えてほしい」と訴えている。
(鈴木龍司)
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