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【社会】 名古屋市、転出超過に 雇用悪化で11年ぶり

2010/10/20

 名古屋市の2010年の人口で、引っ越しによる社会増減数が11年ぶりに転出超過となったことが分かった。基準となる昨年10月~今年9月で転出が転入を600人上回った。岐阜、三重両県からの転入が大幅に減り、東京都への転出が増加。大阪府との関係は転入超過から転出超過に逆転した。08年のトヨタショック以降の雇用環境悪化が原因とみられ、河村たかし市長が懸念する名古屋の地盤沈下の影響が人口に表れた可能性がある。

 市統計課によると、転入から転出を引いた社会増減は07~09年は年8千~1万人の増加で、岐阜や三重を中心に市外の愛知県、北陸、関西圏からも流入した。

 今年は転入が前年より7%少ない14万8756人で、統計を始めた1981年以降で最少。これまで大阪府から名古屋へ向かっていた人口の流れも逆向きになった。東京都への転出超過数も増えた。

 年代別では、20代前半で転入超過の幅が大きく減り、働き盛りの30代の転出超過が増えた。市統計課の担当者は「就職で名古屋に移り住む新卒者が減り、合理化を進める企業が名古屋の人員を減らしたのでは」と推測している。

 出生数から死亡数を引いた自然増減は1441人増。社会減と合計した総人口は841人増でかろうじてマイナスを免れ、225万8729人となった。

(中日新聞)