2010/10/19
愛知県の県立高校に勤める教員の8人に1人が、国が「過労死の危険がある」とみなす月80時間以上の残業をしていることが、同県教委が初めて行った全体調査で分かった。
勤務状況を把握するため、178の県立高校の全教員1万1000人に毎日の在校時間を記入させ、4~6月の3カ月間のデータをまとめた。月平均で、13%の1437人が80時間以上の残業をしていることが判明。うち600人は100時間以上に上った。教員の45%が80時間以上の残業をしていた高校も。教員1人1人への負担が増えている実態が浮かび上がった。
県教委の担当者は「結果を厳粛に受け止めている。各校と連携して負担軽減に取り組みたい」と話す。県高等学校教職員組合の稲垣美樹夫副執行委員長は「教員定数増など抜本的対策を進めてほしい」と求める。
教育評論家の尾木直樹さんは「文部科学省の調査でも全国の教員の勤務は過酷で、データは実態を裏付けた。生徒と向き合う時間がなくなり、信頼関係が壊れる悪循環に陥ってしまう」と指摘する。
厚生労働省は過労死の労災基準の認定として、脳や心臓の疾患の発症前1カ月に100時間か、2カ月から6カ月間にわたって1カ月当たり80時間を超える時間外労働がある場合は業務と発症に強い関連性があると定めている。
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