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【経済】職業能力 ランク付け 内閣府基準作り 非正社員を支援

2010/10/05

 内閣府が、職業ごとに必要とされる知識や技術を定めた職業能力評価基準「キャリア段位」の制度づくりに乗り出した。2011年度の導入を目指す。非正社員らの能力開発や転職を後押しし、成長分野へ労働力の移動を促す狙いがある。

 制度は、実務能力に応じ「初段」「二段」といったランクをつけ、教育プログラムや能力評価の基準を規定。求職者には、どんな知識や技術があれば職に就けキャリアアップできるのかの目安となり、企業側も採用時に能力を見極められる共通の「物差し」を目指す。

 新成長戦略の雇用対策の一つで、年内に具体的な方法など基本方針をまとめる。制度作り担う作業チームには、労使や教育・職業仲介機関の代表者も加え、現場の声を反映させる。

 導入分野は週内にも決めるが、雇用吸収力が高い介護、環境、食・観光などを軸に検討。成長分野を新たな雇用の受け皿として産業構造の転換を図り、成長戦略のエンジン役にしたい考えだ。

 政府は段位があがれば賃金などの処遇もアップする理想を描く。日本総研の山田久主席研究員は「能力を開発した後、賃金に反映させられるかが、制度に意義があるかどうかのカギを握る」と指摘している。(白石亘)