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【社会】就学援助、最多の148万人 公立小中、不況響き15年で倍

2010/10/04

 経済的に困窮する家庭に小中学生の学用品代や修学旅行費などを補助する自治体の「就学援助制度」の受給対象となった2009年度の児童生徒数が、前年度より5万1982人増え、過去最多の148万8113人に上ったことが、文部科学省の調査で分かった。

 増加傾向が続いており、約76万6000人だった1995年度の調査開始時から15年間で2倍近くに達した。文科省は「経済情勢は好転しておらず、今後も増えることが懸念される」としている。

 就学援助は、生活保護を受けている「要保護」世帯と、生活保護世帯に近い困窮状態にあると市区町村が認めた「準要保護」世帯が対象。「要保護」の児童生徒数は13万6648人で、前年度より5616人増え、「準要保護」は4万6366人増の135万1465人だった。

 公立校の全児童生徒数に占める就学援助対象者の割合は全国平均で15%。都道府県別では大阪の27%が最も高く、山口24%、東京23%、北海道と高知22%と続いた。

 中部地方では、滋賀12%、三重と長野が10%、愛知9%、岐阜と福井が7%となっている。

 就学援助をめぐっては、「準要保護」の認定基準が自治体によって異なるなどしているため、文科省の専門家会議は9月、援助が必要な世帯が対象から漏れないよう統一的な基準が必要と指摘。国に基準の在り方を検討するよう求める報告書をまとめた。