2010/09/24
県教委は、2008年度~12年度の5年間、具体的な数値目標を定めて取り組む「教育振興基本計画」で、09年度の進ちょく状況を明らかにした。最低の「遅れている」は「特別支援学校高等部の卒業生の就職者数」の1項目だけで、生徒への就労支援や障害者雇用の遅れが浮き彫りになった形だ。山口利幸教育長は「どのようなキャリア教育を保証すれば一般就労につながるかが今後の大きなテーマだ」と話している。
計画は教育基本法に基づき策定し、県中期総合計画の教育分野の個別計画にも位置付けられている。達成目標は、小中学生の基礎学力の定着度など18項目で設定。年度ごとに、「順調」「おおむね順調」「やや遅れている」「遅れている」の4段階で評価する。
特別支援学校高等部の卒業生の就職者数は、05年度の82人(30・5%)を基準に30%の維持を目標としており、30%以上は「順調」、22%未満は「遅れている」と評価。09年度の就職者数は63人(同20・1%)にとどまった。特別支援教育課によると、05年度以降毎年、実数、比率ともに減少しており、歯止めがかからないのが現状だ。
同課は、景気悪化の影響などで一般企業の受け皿が小さくなった一方、就職に向けた訓練などを行う社会福祉施設に進む傾向があると指摘。
本年度から各校に配置した就労サポーターや、商工労働部の民間教育訓練機関などへの委託事業を活用して就労支援に当たる方針で、「生徒の適性に合った仕事とのマッチングをきめ細かく行い、就労先の確保に努める」と話している。
ほかの達成目標では、中学の基礎的学習内容の定着度や放課後児童クラブの登録者数はすでに達成するなど、12項目が「順調」の評価。「おおむね順調」は3項目、「遅れている」と「やや遅れている」は各1項目で、「学校満足度」は数値化が困難なため評価なしだった。
(柚木まり)
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