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【静岡】雇用・円高対策に重点 県9月補正予算案

2010/09/11

介護職支援など6億円

 県が10日発表した2010年度9月補正予算案は、一般会計16億8600万円で、補正後の予算は1兆1281億8600万円(前年同期比8・8%減)となった。当初予算後の事情変更による義務的事業などに限定したため、規模は小さいが、緊急雇用・円高対策に重点を置いた内容となった。 (広瀬和実)

 県の7月の有効求人倍率は0・49倍で、依然、全国平均(0・53倍)を下回る。それに追い打ちをかける急激な円高が進む中、県は経済界などの求めに応じ、雇用・円高対策に7億5690万円を計上した。

 具体的には、民間提案や「働きながら資格をとる」介護職員雇用支援事業により340人の新規雇用を創出する事業に6億6200万円を盛り込んだ。特に円高の影響が強く懸念される輸出型の中小企業緊急支援のため、販路の開拓支援や経営の専門家を派遣する新規事業に3000万円を割いた。

 緊急的な危機対策としては、今春の茶園の凍霜害を踏まえ一番茶に茶業収入を依存する傾向を転換し、二、三番茶を高級茶(紅茶など)へ加工転換するための調査費に500万円。6月に県立三ケ日青年の家(浜松市北区)で起きたカッターボート転覆事故を受けた安全点検結果を踏まえ、救助艇やライフジャケットなど安全装備の拡充、海洋指導員の増員など青少年教育施設の安全対策に2790万円を付けた。

 子育て支援情報を一元的に発信するホームページの開設や、求人情報誌などを通じて企業の先進的な子育て支援の取り組みを発信する新規事業に1億2200万円を計上するなど、川勝平太知事の「産んでよし、育ててよし」の子育て施策を推し進める意図を示した。