2010/09/02
厚生労働省は1日、世帯単位で所得格差の大きさを示す2008年の「ジニ係数」が、税の支払いや社会保障給付を含まない当初所得ベースで、過去最大になったと発表した。
当初所得のジニ係数は0・5318で、3年前の前回調査よりも0・0055ポイント上昇した。格差拡大の原因について、厚労省は賃金所得が少なく、年金収入に頼る高齢者世帯の増加が影響したと説明。雇用悪化や非正規雇用が増加した影響については「分析できていない」としている。
一方、当初所得から税金と社会保険料負担額を差し引き、公的年金収入と医療、保育などの社会保障給付を加えた「再分配所得」のジニ係数は0・3758で、前回から微減。税・社会保障の再分配によるジニ係数の改善度は29・3%と過去最高で、同省は「社会保障の再分配機能が効果を挙げている」と説明している。
【ジニ係数】 所得格差を表す指標。イタリアの統計学者ジニが考案した。全員の富がまったく同じ完全平等を「0」、数値が大きくなるほど不平等度が高くなり、すべての富が1人に集中する完全不平等を「1」とする。小泉政権下での非正規労働の広がりなどから格差問題が指摘され、注目を浴びた。
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