2008/10/02
厚生労働省は1日、介護サービス事業所の2008年3月の経営実態調査の結果を発表した。深刻な人手不足の中、看護師や介護職員確保のために給与を引き上げたことなどが経営を圧迫。訪問介護など一部を除き、施設、在宅サービスの多くで経営が悪化した。
事業所が廃業したり新規参入が見込めなくなると、今後利用者の増加が確実な介護保険サービスの提供に支障が生じる可能性も出るため、来年度の介護報酬改定に向け、報酬引き上げの声が強まりそうだ。
また、介護職員の給与の引き上げ率は看護師に比べ小幅なところが多く、賃金水準はどのサービスでも3月時点の月給は20万円台に低迷するなど職員間の給与差も明らかになった。施設サービスでは人件費の高い都市部の事業所で、在宅サービスでは小規模事業所で収入に対する黒字の割合が低い傾向となり、地域加算の是正も焦点となりそうだ。
施設サービスでは、特養ホームで収入に対する黒字の割合が13・6%から3・4%と大幅減となり、老人保健施設も12・3%から7・3%、介護型療養病床も3・4%から3・2%と減少。認知症対応型グループホームは2・1ポイント増の9・7%となった。
特養ホームの介護職員で給与は約27万円から約29万円と6・9%増となったものの、訪問介護は22万円台で伸び率は2・0%。人件費の割合はほとんどの事業形態で上がった。
居宅介護支援事業所は、介護計画を作成するケアマネジャーの担当する利用者の数を06年度の制度改正で50人から35人に制限したことから、赤字幅が17%に拡大。通所リハビリテーションは黒字幅が18・9%から4・5%と大きく落ち込んだ。小規模多機能型居宅介護は、介護報酬が低くなる要介護度の軽い利用者が多いことなどが響き、8%の赤字となった。
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