2010/07/30
パソコンと風を一体、音や色で心理的な工夫も
夏真っ盛り。あまりの暑さにボーッとしたり、大量の汗をかいたりすれば、業務に支障も出かねない。暑さを和らげ、働く環境を少しでも快適にするには、どんなオフィスの工夫やグッズがあるのだろうか。 (服部利崇)
「室内緑化でオフィスを涼しく」と提案するのは、オフィスデザインコンサルタント会社「翔栄クリエイト」(東京都新宿区)。今年移転した新オフィスの一部約二十平方メートルを、森をイメージした空間にした。ショールームを兼ね、会議などで使用している。
天井や壁に、伐採後乾燥させたツタをはわせた。それに観葉植物のグレープアイビーをつり下げ、自動で水やりを行う。
プランニングに携わった中山和大さんは「植物内の水分が水蒸気として放出される蒸散効果で、このスペースは際だって涼しい」。訪ねた日は、隣接のスペースより四度も低かった。
オフィスの配置やインテリアをちょっと工夫するだけで、涼感を期待できる。
オフィス家具製造「岡村製作所」(横浜市西区)オフィス研究所の鈴木絵美さんは、仕切りを必要最低限にし、空気の流れをつくる▽床をカーペットからフローリングや自然素材に▽机など自分の身の回りに緑を置く-などを挙げる。
また、小川のせせらぎなど水の音を流す▽机や壁に青など寒色系の小物を加える▽海中や氷山などの写真や絵を飾る-といった聴覚や視覚に訴える方法もアドバイスする。
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「外から戻ると汗びっしょり。これがないと…」。外の仕事が多い川崎市の男性会社員(35)が手放せないのが、パソコン(PC)を動力源にする扇風機。十二センチ四方のケースの中でファンが回り、かなりの風量だ。
「USBどこでも でか扇風機」(千九百八十円)を開発したPC周辺機器メーカー「シグマA・P・Oシステム販売」(東京都千代田区)企画推進部の古川正浩さんは「個人使いできるし、パソコンにつなげばどこでも使えます」と話す。マグネット付きで、スチール面なら取り付け自在だ。
PCにも涼しい環境が必要。「長時間使用で発熱すると、フリーズや処理速度低下の原因にもなる」と古川さん。同社の「マルチノートクーラー」(三千四百八十円)は、扇風機とPC冷却台を兼ねており、PCの下に敷いて、三つの小型ファンで冷やす。
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ネクタイ着用に伴う首回りの熱を冷ますのは、PC周辺機器販売「サンコー」(東京都千代田区)の「ネクタイクーラー3」(二千九百八十円)。ネクタイと小型ファンがセットになっており、結び目を下げると、直径三センチのファンが回る。
結び目を上げればファンが隠れ、普通のネクタイ姿と変わらない。重さは約百二十グラム。動力源はやはり、USBで接続したPCだ。二〇〇八年に販売された「2」はヒット商品に。「3」はネクタイの色が赤で、八月に販売予定だ。
上着着用の外回りはつらい。紳士服販売「はるやま商事」(岡山市)が六月に発売したのは、衣服内温度を上げない「太陽光ガードスーツ」(六万一千九百五十円)。
赤外線を反射できるセラミック入り特殊繊維を使用。気温三〇度で三時間上着を着る実験で、従来品と比べ上着内温度を二度抑えられた。デザインは涼しげなグレーのストライプ。広報担当の山本隆吾さんは「価格は高めだが、三十~五十代に人気」という。
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